占い、歴史、宗教などの研究をしています。空白の4世紀や倭の五王など、日本史の謎を解明しています。

アマテラス④

伊勢神宮
伊勢神宮

大祓祝詞

ここまで読んですでに気がついた方もおられるかと思いますが、以上見てきた主要人物は大祓祝詞における祓戸四神です。以下一部引用します。

佐久那太理(さくなだり) に落ちたぎつ速川の瀬に坐す瀬織津比売と云ふ神、大海原に持ち出でなむ。如此持ち出で往なば、荒塩の塩の八百道の八塩道の塩の八百会に坐す速開都比売と云ふ神、持ち可可呑みてむ。如此可可呑みてば、気吹戸に坐す気吹戸主と云ふ神、根国底之国に気吹き放ちてむ。如此気吹き放ちてば、根国底之国に坐す速佐須良比売と云ふ神、持ち速佐須良比失ひてむ。

少し現代語で解釈するとこうなります。

急流の川から瀬織津比売は大海原へと出てゆきます。出てゆけば、潮の流れが速いところ(宇佐)に住む速秋津比売が飲み込まれてしまいました。飲み込まれますと気吹戸主は根の国(北陸)へと息吹を放ちます。放ちますと根の国の速佐須良比売は流離い失ってしまいます。

つまり、瀬織津姫(モチコのこと)はオロチとなりハヤアキツ姫を飲み込んでしまいます。母ハヤアキツ姫を殺され気吹戸主は復讐を誓います。気吹戸主は根の国へと攻め込みますがハヤコは逃亡し、流離いの身となりました。

この祝詞は中臣氏に伝わるもので、天津神の視点から書かれています。ここにおける2つの出来事、ハヤアキツ姫が飲み込まれた事件とハヤコが逃亡した事件、これが天岩戸隠れです。宮崎県の高千穂にある天岩戸はハヤアキツ姫が殺された場所、これが1つ目の岩戸隠れ。そして復讐の気吹戸主が根の国へ攻め込みハヤコが逃亡した事件、これは葦原中国から天津神の勢力が一掃された2つ目の岩戸隠れ。
そして200年後、天津神はフツヌシ、タケミカヅチをもって葦原中国を占領し、出雲に国譲りを迫ります。ここに天津神は葦原中国を奪還し、天岩戸が開かれます。つづきます。